暗闇に咲く花





烈「紅っ!!」


烈の声が遠くで聞こえた。

でも、その声に反応することすら出来ない。














今のあたしを見た人なら分かるだろう。


………何故、あたしが紅と呼ばれるか。













返り血を浴びて真っ赤に染まる身体。


この怒りに任せて喧嘩をした姿こそが、
紅と名付けられた本当の理由。
















鈴次「……ははっ、やっと『紅』が出た」



倒れた自分の仲間たちを見て鈴次は笑う。




自分の仲間が殺られて何故笑える?

無意識に顔をしかめる。












『……鈴次』


俺がそう呼んで、掴みかかろうとする。










鈴次「……おっと。荒れてるなぁ…じゃあ、今日はこのへんで。」


ヘラヘラしながら避けやがった。









最後にそう言い残して鈴次は一人で去っていった。