紅「はぁ……」



俺から見える光景は、
倒れた100人の男とその中心に立つ紅。





後ろ姿があまりに格好よくて、
俺はぼんやり眺めていた。









紅「大丈夫か?」


いつの間にか目の前に来た紅に尋ねられる。


『……あ、あぁ』


身体は重くて鉛みたいだ。
意識もいつ飛ぶか分からないギリギリ。

ったく、なにやってんだろ、俺。














ふいに額に冷たい手が触れる。


『えっ…』


紅「…熱、高いな」


そう言われてようやく自覚する。
………動けないわけだ。