翼side



止めたバイクが見える位置まで来たとき、
突然周りを男たちに囲まれた。



――――ザザッ…

ただならぬ緊張感の中、
足音だけが響く。




ぐるっと見回す。




―――ざっと100人。



見たところ族。
その中にちらほら組員と思わしき奴が混じっている。





『……なんの用だ』



そう聞いても、誰も答えない。

コイツらの狙いは何だ?










俺は渉と背中を合わせて、戦闘態勢に入る。



―――ッ!!……来る!!


そう思った瞬間、奴らは一斉に襲ってきた。