律side



烈「……どうかした?」



烈があたしの顔を覗き込んだ。

きっとあたしの異変に気付いた。
いつもだったら喧嘩が終わったあとは、
清々しいくらいに笑って、帰る。

今日のあたしは何かがおかしい。



俺からあたしに一人称が戻ってるし。



『いや、帰ろう』


心の中のモヤモヤをかき消して、皆に告げる。






奏「そーだなっ、帰ってアイスでも食べよーぜー」


伊吹「お菓子~!!」


ほら皆だっていつも通り。












バイクに跨がり、一息ついて、
エンジンをかけようとした。





―――――ッ…


『………(ピクッ)』






何か聞こえた………