ピタッと足を止めて振り返る。


『………で?』





蒼空「……どうだ?桜花は」


蒼空が急に声のトーンを落とした。

あぁ、この雰囲気は『銀』だ。






『今のところは大丈夫。奴らはまだ動いてないみたいだしね』




蒼空「…動いてはいるだろ。気をつけろよ」



『分かってる。夏休み中には元凶を潰す』

きっと今のあたしの眼は、真っ黒だ。
勿論、普通の黒ではなく、闇の黒。





蒼空「……アイツを倒せるか?」


アイツねぇ…

『できれば一生顔も見たくないんだけど…まぁ、しょうがないでしょ』




そう言うと蒼空の表情も柔らかくなった。







蒼空「『闇烏(ヤミガラス)』ねぇ…」


長らく耳にしてなかったその名前が、
やけにあたしの頭に残った。