ー次の日。

「ちょ。梨子。大丈夫?」

朝一で声かけてくれたのは、もちろん親友の莉央。

「うん。大丈夫。ありがとね」

「昨日LINEしたのに、返ってこないから……」

あ。昨日携帯全然開いてないや。

「ごめんね。昨日携帯全然見てなくて……。ありがとね。心配してくれて」

「別に心配するのは当たり前。それよりさ、梨子ぉ?」

「ん?なに?」
莉央さん……なんか怖いんすけど……。

「昨日どーだったの?♪」

いやいや、♪つけられても、どーもこーもありませんよ。
「え。どうって、莉央が知ってるよーに、倒れて保健室に運ばれてそのまま家帰ったよ?」

「そーゆー意味じゃなくて…」

「ん?」
わかんない。
莉央が考えることがわかんない。
こんなこと一度だってなかったのに。


「大地くん何も言うてなかったの?」

………大地?
「別に何も聞いてないよ?」

「……そっか」
なぜか切なそうに呟く莉央。

「何かあったの?」
きっと私が倒れてる間に何かあった。
そう私は確信した。

「いや……ないよ」
ないわけないな。絶対なんかあった。
莉央が何か隠してるのわかる。

「隠さないで言ってよ!」

私の言い方がきつかったのか、莉央がびっくりした目でこっちを見た。

「……今日の昼休み屋上行こ」
そう呟いて莉央は自分の席に戻ってしまった。

……気になる。