「戸村 優翔です。よろしく」

改めて見ると、とても端正な顔をしている戸村くん。

「こちらこそよろしくね」
私はそう言って軽く微笑んだ。

「戸村、こいつは高嶋といってな、クラスの委員長をしているんだ。頼れるいいやつだからな、なんでも聞け」

いいやつなのは、先生にとって都合のいいやつって事だろうな。

「あと、高嶋。休み時間になったら戸村を校内案内してやってくれ」

ほら。また雑用。

「はい。わかりました」
そうやって、いつもいい子のふりするのは、もう慣れた。

「じゃあ、もうHRの時間だから、高嶋と戸村教室に戻れ」

「「はい」」

私達の声が重なる。