どうしてか逆らえない。 「(百瀬君て、やっぱりずるい)」 「じゃ、放課後。第二資料室ね」 ひらり。 そう言い残し掌を揺ら揺らさせると、彼特有のおぼつかない足取りで人ごみに消えていった。 いつかその端正な顔をねじ曲げてやる...。 なんだかちょっと、我ながらにグロティスクな発想だと思って笑ってしまった。 と。 ぽんぽん、本日二回目となる背後からの肩たたきを受けた私は、今度は誰だと言わんばかりの視線を背後の人影に向けた。