私のどこが優しいっていうんだ。正真正銘、根っからのマゾじゃないか...。 「(望月さんは覚えてないだろうけど、)」 「ていうか、私より佐伯君とかのほうがよっぽど優しいと思う...けど。」 佐伯君は同じクラスの男の子で、いわゆる爽やか青年だ。 女子はともかく男子にも優しい佐伯君はクラスの人気者存在で、少女漫画でよくあるアレだ。 「佐伯?」 「え...うん...」 百瀬君のその声色があまりにも冷めきっていたので、私は小さく肩を震わせた。 私、なにかいけないこと言った?