細い指に手首を掴まれた思ったら、そのままぐいっと教室まで引き戻されて。 気が付いた時には百瀬君の腕の中に収まっていた。 肩とお腹から腰にかけて回った骨ばった腕に嫌でも男と言うことを意識させられる。 「望月さん捕まえた」 透き通ったロートーンが私の耳をくすぐる。 熱い、熱い、熱い。 低抗しなきゃいけないのに、全身が微熱を帯びて力が入らない。