「なーんてね」 そう言ってにやり、再び声なくして笑う目の前の百瀬君。 「っ...」 意味が分からない。 初めて話したかと思えば、これって...。 なんなんだ此奴は。 いまだに笑い続ける彼に嫌気がさして、白いワイシャツの隙間をやっとの思いでくぐり抜ける。 そして、散らばった資料をかき集め拾うとすぐさま昇降口へ走った。 もう全速力で。 「あ~あ、逃げられちゃった」