百瀬君の生態記録。





どんな罵声を浴びせられるのだろう…




縮まる距離にそんなことを思いながら一歩、二歩と後ずさった。




時が止まってくれる訳でもなく、その男子生徒との距離は人ひとり分に縮まって。




なんだかとても気まずくって目を逸らし、再度後ずさると。




「そうやって逃げないでよ」




先ほどまでの不純な行為とは不釣り合いな、よく透き通る声でそんな声の青年そんなことを言った。




何を言ってるんだ、この人は。




ふつう逃げるだろ。




そんな相手にただ俯くだけの私。




「顔あげてよ」




そういうと相手が一気に距離を縮め、彼が私に覆いかぶさるような態勢になったので私も観念して顔を上げることにしたのだが。




「えっ、」