車に乗り込んだあたしを確認してあたしの家へと車は走り出した。
静かな車内では誰一人として喋るわけでもなくあたしはなんとなく居心地が悪く感じた。
だからあたしは頭をフル回転させ話題を引っ張り出した。
『怜…えっと諭吉を使わせて貰いました。』
「…」
『あっ、諭吉ってのはね、1万円札のことでね?』
「…」
『あ、それとね飲み物かってきたよ!レモンティー!温かいのにしようと思ったんだけど今は春だし今日ちょっと暖かいから冷たいのにしたの!』
「…」
怜はあたしの話に無視をきめこんであたしの方をちらりともきなかった。
なんだよ、こいつ!あんたが飲み物買ってこいって言ったからあたしは買ってきたのに、とことん無視しやがって!このクソ野郎!
あたしはとことん無視を決めやがるこの男にこれでもかってくらいガンをつけてやった。
それをこの男はこっちをちらりともせず澄ました顔で低く威圧的な声で呟いた。
「…見てんじゃねーよ」

