triangle〜御曹司と王子様〜





西門くんと私はあまり人のいないところにいた。


西門くんは、何も言わない。


私は何も言えない。


風の音だけが聞こえる。


「……和田と白坂さんには、木の下にいるように言ってある……」


「そっか……じゃあ、そっちに…」


私がそっちに行こうと言おうとしたのを遮るように、西門くんが私を抱きしめた。


私は、驚いた。


「ごめん……俺、やきもち妬いた。理由も聞かずに天坂さんをここまで引っ張ってきた……」



「でも、俺、天坂さんのこと好きだから……取られるんじゃないかって……不安になって、止まらなかった。」


「西門くん……」


西門くんにこんな思いさせてたなんて……私……


「西門くん、ごめんね」


私は、西門くんを抱きしめ返した。