歩いても、歩いても、お化けは出てこない……
それが逆に怖くて私は、西門くんにしがみついていた。
「……出ないね。お化け。」
西門くんがいきなり話し出したために、それに驚いてしまった。
「ひゃっ‼︎‼︎」
なんて声を出してしまったんだろう……
「あ、ごめん。いきなり話したから驚いた?」
「う、ううん。大丈夫‼︎」
超驚きましたよ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
その時、
びたんっ‼︎‼︎
と何かが何かに当たる音がして、
「ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
という叫び声とともに前にいたわっちーと陽が走り去って行った。
「え⁉︎陽‼︎わっちー⁉︎」
西門くんが私から離れて2人に何が当たったのかを確認しに行った。
う、う、う、うそでしょ⁉︎⁉︎⁉︎
一人にしないでよ‼︎西門くん‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎
私は、走って西門くんのところに行った。
「……こんにゃくだ…」
「こ、こんにゃく⁉︎」
「ほら。」
ペタッ
私の頬に冷たい柔らかいものが当たった。
「ほ、ほんとだ‼︎」
一瞬、超びびった‼︎‼︎‼︎
「こんなのどこで用意する暇があったんだろうね」
「だね。」
私達は歩き始めた。
西門くん……お化けは苦手とか言ってたけど……すごく冷静だな……

