「うわー……あの人だかり……涼介様よ。たぶん。」
女子が何かを囲んで集まっている場所があった。
「相変わらず、王子様なのね〜。百合、ある意味勿体無いことしたよ……」
「西門くんの方がかっこいい‼︎」
「いや、互角よ。西門くんは、クール系。涼介様は、誰にでも優しい王子様系。それぞれタイプが違うだけで、この世のものとは思えないほど綺麗な顔は、互角よ。」
「なら、私は根っからの西門くん派だわ。」
「あんたの彼氏だしね。でもなんで?」
「誰にでも優しくして欲しくない。そりゃあ、優しいのはいいことだけど……私にだけ特別優しいとかそういう……特別扱いをして欲しいから……かな?」
陽がぽかんとしながら私を見ている。
「百合……あんた……かわいい……」
「は⁉︎」
「恋するとかわいくなるってこういうことなのね‼︎」
「陽……わっちーのこと好きでしょ。」
「へ⁉︎唐突に何⁉︎」
「いいから、正直に言って。」
陽はもじもじしながら言った。
「好き……」
やっぱり……
「告白とかしないの?」
「できないよ⁉︎……わっちーには他にも好きな人がいるから……」
「何で分かるの?」
「見てたら分かるよ……」
「本人から聞いたわけじゃないんだから、わからないじゃん‼︎」
「うん……でも、まだ言えないよ。」
「いつか、いつかだね‼︎」

