「ねぇ…」
「何よ、百合…」
冬の屋外でガタガタと震える私と陽。
「どうして、冬でこんなに寒いのにバーベキューとかしてるわけ……しかも外で…」
「知らないわよ……学校に聞いて…」
私達は今、学校の行事で冬なのにバーベキューをしに来ている。
行事の多い学校だ…………
「わっちー、火まだ?」
陽が言った。
わっちーこと和田くんとは、私と陽と同じグループでバーベキューをすることになった男子。四人1グループでもう1人は……
「天坂さん、寒い?」
西門くん
「うん、ちょっとね」
「じゃあ、俺の上着、着てなよ。」
西門くんが自分の着ていた上着を私にかける。
「あったかーい‼︎ありがとう。でも……西門くんは大丈夫?」
「大丈夫。俺は今からわっちーと火を点けないとだから。」
西門くんは、わっちーと1番仲がいい。
「じゃあ行ってくるね」
「うん。」
「百合、ずるーい‼︎私もわっちーから上着もらってこよ〜わっちーー上着ーー」
陽はわっちーから無理矢理上着を剥ぎ取った。

