「とにかく、もう家には来ないで。それと、百合なんて呼び捨てしないで。」
「無理。」
即答⁉︎
「む、むりじゃなくて……」
「お前は、本当に西門ってやつが好きなのか?」
「何言ってるの?好きに決まってるじゃない」
「口ではどうとでも言える。」
まっすぐ私を見る滝城涼介。
口ではどうとでも言える……?
それ……どういう意味……
私が……西門くんを好きじゃないって言うの?
「もう、やめて。」
やめてよ……
惑わさないでよ……
お願いだから……
涙が……出そう。
涙が出そうになったその時、
「うっ‼︎‼︎‼︎」
両頬を挟まれて変な声が出た。
「うそだよ。」
「は?」
「冗談だ。」
「は⁉︎」
「悪かったな。じゃ。」
意地悪な笑みを見せて滝城涼介は去って行った。
冗談って…………何が冗談なの…………
今までのこと……全部……冗談だったの……?

