「西門……くん……」
「会ってから2日しか経ってないけど……天坂さんを好きになった。」
「いいの…?…私のどこが……」
「天坂さんはすごく魅力的な人だよ。1日で分かるくらい魅力的な女の子。」
西門くんが私を見つめる。
私は、西門くんの学ランを握りしめる。
西門くんは、すごく優しくて、私を包み込んでくれる…………滝城涼介とは大違い。
西門くんは、クールで優しくて、かっこよくて………いいところがたくさんある……
滝城涼介関係の人にこれからもこんなことされるなら……彼氏を作って……
て、私、何考えてるの……最低‼︎‼︎‼︎
西門くんの優しさに漬け込んで…………
「逃げでもいいよ。滝城涼介から逃げる手段としてでもいい。俺、天坂さんのそばにいたい。」
読まれてる……
「でも、……それって……西門くんを傷つけちゃうことになるよ……」
私、西門くんを傷つけたくない……
「私……わたし……」
私は寒さからか震え始めた。
すると、フワッと暖かいものに包まれた。
西門くんが私を抱きしめてくれていた。
「ごめん。こんな状態の時に言うことじゃなかったね」
西門くん……暖かい……
『恋するのに日数も何も関係ない。』
朝、陽が言っていたことを思い出した。
「西門くん………私、」
西門くんを見る。
「私ね……」
西門くんは目をそらさない。
「西門くんが……」
「西門くんがね……好きなの……かもしれない。自分の気持ちが分からないの……でもね、西門くんに会うとドキドキするし、……滝城涼介とのことも知られたくなかった……」
「それは、自分で言うの恥ずかしいけど、天坂さんは俺を好きなんだよ。少なくとも普通よりは。」
西門くんが私を抱きしめた。
さっきより強く。