「西門くん……?」


「ごめん……ああでも言わないと終わらない気がして……」


「ううん。むしろありがとうだよ。でも、大丈夫?」


「何が?……座って……」


西門くんが私が座るように自分のハンカチをコンクリートの上に敷いた。


西門くんは私と目線が合うようにしゃがみこむ。


「ありがとう…………私と付き合ってるなんて言って大丈夫なの?」


西門くんが自分の着ていた学ランを私にかけた。


「い、いいよ‼︎ぬれちゃ「いいよ。天坂さんが風邪引く方が俺にとっては嫌だ。」


西門くんが私の手を取った。


「冷たい……もっと早く来れてたら……」


「そんな……私、すごく助かったよ‼︎西門くんが来てくれなかったら私たぶんまだ……」


西門くんが私の手を西門くんの手で覆った。


「天坂さん。」


「あ、はい……」


西門くんがすいこまれそうに綺麗な目で私を見つめる。


「こんな状態の時にずるいかもしれないけど」


西門くんは一瞬下を向いてまたまっすぐ私を見た。


「俺、天坂さんが好きだよ。」