triangle〜御曹司と王子様〜




「あはははは、泣いてるー‼︎‼︎」


女子生徒たちは私を見て笑う。


ブレザーも着ずにセーターだけで外に出てきた上に、冷たいお茶でずぶ濡れ。


寒いよ…………


怖いよ…………


その時……


「天坂さん‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


聞いたことのある声……


女子生徒たちの悲鳴。


目の前に現れたのは、


「西門くん」


「大丈夫?ずぶ濡れだ……」


西門くんは私の肩を持って


「何があったの……」


と女子生徒たちに冷たく聞いた。


「そ、その子が……涼介様と仲良くしてるのもそうだし、好きなのか嫌いなのかはっきりしないから……」


「だからって、こんなことをしていいことにはならないやろ……」


あれ……西門くん……関西弁?


「だって、その子、涼介様と……付き合ってるじゃない……」


「わ、私は、滝城涼介とは付き合ってない‼︎‼︎‼︎」


私は、反論した。


「なら、どうして涼介様と仲良くしてるのよ⁉︎⁉︎⁉︎」


「仲良くなんかしてない‼︎‼︎」


「なら近づかないでよ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」


「近づかないでって……」


「できないって言うの⁉︎本当は付き合ってるんでしょ⁉︎⁉︎」


「だ、だからっ……「百合は、俺と付き合ってます」


え……


「は?」


女子生徒たちが言った。


「天坂さん……百合は俺と付き合ってます。」


に、西門くん⁉︎⁉︎⁉︎


「本当に?」


「はい。」


「な、なら早くそれを言いなさいよ。」


女子生徒たちはバラバラと帰って行った。