「私は、あなたのこと…………」
私が何かを言おうとした時、
「あ、天坂さん」
落ち着いた男子生徒の声が聞こえてきた。
声のする方を見ると、
「西門くん……」
西門くんが私と滝城涼介の方に近づいてきて、私の腕を掴んだ。
「ホームルーム、始まるから。」
「へぇ…ずいぶんと早いホームルームだな。」
西門くんと滝城涼介が何故か睨み合っている。
美しい顔の男子が私の目の前で睨み合う。
なんか……綺麗……
「はぁ……じゃ、百合、また後で。」
滝城涼介が両腕をどかし、私を解放して自分のクラスに歩き始めた。
私は、そんな滝城涼介の後ろ姿を何故か目で追ってしまう。
「天坂さん……?……邪魔……だったかな……」
「え、あ、大丈夫だよ‼︎‼︎‼︎ホームルーム行こう‼︎‼︎」
私は、西門くんとクラスに戻った。

