私は、声に気づかない振りをした。
すると、
「百合。」
肩を持って振り向かされた。
私の近くに滝城涼介の超綺麗な顔がある。
「や、やめてよ。」
私は、滝城涼介の手を振り払った。
「お前、あいつと付き合ってんのか?」
滝城涼介は、西門くんを指して言った。
「付き合ってるわけないでしょ!!!まだ会って1日しか経ってないのに!!!」
「じゃあ、………気になってんのか?」
その言葉を言われた瞬間、私の中で何かがざわついた。
私は、滝城涼介を見た。
滝城涼介は、綺麗な瞳で私をまっすぐ見ている。
「わたし…………」
気になってる……私、西門くんのことが気になってる……
なのに、どうして声に出せないの??
「あ、あんたなんかに言わないわよ。」

