なぜ閉める………
私は、西門夏弥くんを見た。
何度見ても美少年だわ…………
私が見つめていると、西門夏弥くんは本を閉じて私を見た。
き、きれいな黒目………
「西門夏弥です。」
「あ、天坂百合です。」
「天坂さん……」
か、かっこいい…………
私は、西門夏弥くんのファンになった。
「天坂さんは、学級委員か何かですか?」
「あ、いえ。スキー旅行係……です……」
「スキー旅行……?」
「えっと……ついこの間行ってきたんだけど、二泊三日でスキーをしに行くっていうもの。」
「そうですか。楽しかったですか?」
「あ、うん。楽しかったよ。西門……くんも来られればよかったのに…」
私が言いかけた時、西門くんは笑った。
「俺も前の学校で色々行きましたから。天坂さんは優しいんですね。」
「え……あ、ありがとう。」
西門くんは荷物を持って立ち上がった。
その時、私は気づいた。
「あ、西門くん、学ランだ……」
「あぁ、前の制服です。急な引っ越しだったもので。変ですかね?」
「い、いいえ、似合ってます。」
西門くんは、微笑んだ。

