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私は、我を忘れたように雪山を登っていた。
「百合~まだ上行くの……??」
陽が言った。
「いいわよ。陽と桑田さんは下で待ってても。」
「え~!!百合が心配だよね、桑田さん!!」
「う、うん。心配……」
私は、2人の言葉を聞いて我に返った。
「ごめん………下に下りようか………」
私は、結構離れている2人の方に向かおうとした。
その時、誰かに腕を掴まれた。
こういう時は、大抵………
私は、腕を掴んでいるやつを見た。
そこには、滝城涼介とは別人の3人の男が立っていた。
「君、1人??あっちの2人と友達??」
かなり上の方に来たために周りに人はほとんどいなかった。
「陽!!桑田さん!!下りて!!!!!!!」
陽と桑田さんは、オロオロしながら下りのリフトの方に走って行った。
「あらら、友達行っちゃった。」
「てか、腕、離しなさいよ。」
「あぁ~ごめんごめん。でも、
離したら逃げるよね。」
その男は、笑いながら言った。
「当たり前でしょ……。で、何のようですか??」
「友達逃がしたってことは、分かってんだろ??俺ら、ゲレンデでナンパしようと思って来たのにあんまりいなくてさ~」
「これは、八つ当たりってことね。」
「まぁ、それもあるけど、君、かわいかったから。」

