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私と陽は、桑田さんがいるところまで下りた。


「あ、百合、いたいた。桑田さん!!」


陽が呼んだ声で桑田さんがこっちを向いた。


「桑田さん、私達と滑らない??」


桑田さんは、何も言わずに丸くてかわいい目をさらに丸くして大きくした。


「だって、羽鳥さん達といてもつまらないでしょ??」


私は言った。


「え……あ……その……」


私の声が聞こえたのか羽鳥さんが


「は??何あんた。」


「桑田さん連れて行ったらだめかな??」


「ダメに決まってるじゃない。佳代は私の親友なのよ??」


「し、親友??」


陽が小さな声で言った。


その時、


「いいんじゃないかな??桑田さん、滑りたそうだったし。」


で、出た。滝城涼介。


「涼介がそう言うなら。」


滝城涼介がこっちを見て勝ち誇ったような笑顔を一瞬した。


あの男………


「桑田さん、行こ??」


私がそう言うと、


陽は、桑田さんの手を握って笑った。


桑田さんは、微笑みながら小さく頷いた。