「1時間経ったら迎えに来てくれ。」
滝城涼介がそういうと、車はどこかに行ってしまった。
「行くぞ。」
滝城涼介が私の腕を引く。
「あ、ちょ……てか寒っ‼︎‼︎」
寒いのは当たり前だ。冬の海に来て寒くないわけがない。
「我慢だ。」
我慢って……私…制服だけしか来てないからすんごい寒いんだけど……
あんたはいいわねぇ…あったかそうなコート着ちゃって……
「どうして海なのよ⁉︎⁉︎」
「来たかったから。」
滝城涼介が私から手を話して大きな流木に座った。
「小さかったころ、唯一家族で一緒に来た場所が海だったんだ。」
「唯一?」
唯一家族で来た場所……?
「昔からうちの会社はデカかったからな。両親は忙しかったんだ。だから、小さかった俺にとってはすごく楽しかった思い出だったから…………来たかったんだ。もう一度、大好きなやつと。」
滝城涼介……
私は、後ろから滝城涼介を抱きしめた。
細く見えて、思ったよりもがっしりしていた。
「百合……お前、やっぱり好きだろ?俺のこと。」
滝城涼介が私の方に顔だけ向けて言った。
「…………好きよ……」
滝城涼介は素直に答えた私に驚いたのか、目を見開いた。
「理由は……分からないけど……私は……」
私は、滝城涼介に向くように滝城涼介の横に座った。
「私はね、滝城涼介が…………」
私は、滝城涼介をまっすぐ見た。
「好きよ。」
言っちゃった……
恥ずかしい……
「今日は、素直なんだな。」
え………それだけ?
「よかった……」
すると、私はいきなり腕を引っ張られ、気づくと……
滝城涼介に抱き締められていた。

