「よし、じゃあするか」 数学の教科書を広げる。 頭の中に嫌でも坂口先生が出てくる。 だめだ。 泣きそう…。 「…全部わかんないよ」 「授業ちゃんと聞けよー」 陸は笑ってるけど 授業に集中できるわけがない。 って言いたいけど 好き、って言われた先生がする授業なんて、ドキドキして聞けない。 なんてことも 弱い私は言えなかった。