「でっ、でも私はー…」


「“でも私はー…”何?一目惚れしましたって?」


私はこくこくと大きく頷いた。


そんな私を男の子は冷たく一瞥すると、小さくため息をついた。


「はぁー…。あのさ、あんた今ひかれそうになってたでしょ?ドキドキいってるのはそのせいだと思うよ。誰だってそんな事があったあとは心臓だっておかしくなる。


それを恋と勘違い?冗談はその変な名前だけにして」

んな!?


へ、変な名前だとぉ!?


私は男の子の顔をきっと睨んだ。 


だけど男の子はそんな私にちらりとも視線を向けないでひたすらに顔を背けてる。