「一目惚れって信じますか!?」


私は男の子の腕を掴んでしがみついた。


わ、細いのに意外と筋肉ある…。


なんて思っていると。


「…理屈は?」


「はい??」


男の子の綺麗な瞳が私の瞳と重なる。


理屈??


「恋なんてただの人間の妄想なんだよ。」


「?理屈がどうとかは知りませんけど私はー…あ、私恋音空留って言うんですけど。なんか今すごい胸がドキドキ言ってて」


「あんたの心臓がドキドキいってたらそれは恋なの?ねぇ、生きてるんだから心臓はドキドキいうと思わない?それに…


結局はみんな恋なんてしてないんだよ。“あぁ、自分恋してる”なんて勘違いしてそんな自分に酔ってるだけ」