次の日から冬樹のLOVEアタック&沙苗達のLOVEコールが始まった。
「あっ、譜雪と冬樹だ。ヒューヒュー」
「ダブルふゆき、LOVE LOVEですね」
「よっ、できたてホヤホヤカップル!」
も〜やめてよぉ〜。
冬樹に助けを求めようとしても、
「困ってる譜雪可愛い〜♡」
なんて言ってるから、何も言えない。
こいつ、今まで相当我慢してたな。
あの告白、断ってやれば良かった。
ま、LOVEコールもそのうちネタが尽きるでしょ。
と思っていたのが間違いでした。
「付き合ったキッカケは?」
「えーと、俺が告りました」
「うぉーー!!勇気は要りましたか?」
「結構。正直振られる気の方が多かったと思います。」
そんなニュースごっこをしている左京に、
「沙苗に告る前にどんな感じか聞いてんの?」
「そ、そんな訳ないじゃん!」
うふふ。
顔真っ赤。
本当に好きなんだね、沙苗の事。
私もあいつらに負けないような沙苗&左京のLOVEコールを言ってやろう!
「付き合っちゃえよ。沙苗」
「お似合いなんだけどな〜」
「顔真っ赤ですよ〜」
「私達よりLOVE LOVEですね〜」
「二人見てると羨ましい」
などなど、ネタが尽きるまで私は二人を冷やかし続けた。
「気ぃ済んだか?帰るぞ」
そう言われて私は鞄を持って冬樹の所に駆け寄った。
「今日は楽しかった〜」
「そうだな。また遊びに行くよ」
「うん、来て来て!今度は一緒に冷かそ?」
「そうだなって笑ってる譜雪ちょ〜可愛い!ヤベェな俺」
「ん?なんか言った?」
「ん?何でもないよ。」
なんか微かに聞こえたような?
〝ヤベェな俺〟って感じの声が…。
どういう意味だろ?
一人考えていると、
チュッ。
っとリップ音が聞こえた。
で、目の前には度アップの冬樹の顔。
えっ?
私、今キスされた?
えーーー!
「ちょっと何してんのよ!最悪」
「なんで?俺の事好きなんでしょ?」
「そ、そうだけど前置きもなくされたら普通嫌よ」
「でもあんたの心の準備遅そうだもん」
遅いですよ!
それが何か?
私の視線に気付いたのか、冬樹がごめんなさいと謝ってきた。
うふふ。
今回は勝ちましたわよ。
っとすっかりお嬢様気分の私と、私のファーストキスを奪って嬉しそうな冬樹がもう一度甘〜い甘〜いキスをした。
「譜雪美味しい」
そう言って冬樹は舌で自分の唇を舐めて、意地悪く笑った。
こういうの、ものすごくドキドキするんだよね。
なのに冬樹はプラスして、
「譜雪とのkiss最高」
なんて言うんだから、もうメロメロ。
でも気づかれないようにしなきゃ。
こういうのバレたら恥ずかしいし、またLOVEアタックがでてくるし。
大変だよね。
恋するって。
こんなのが大変って私相当変だね。