お互いの家が全くの逆方向であることが分かり、私は吹き出してしまった。

貴彦も笑い出す。


2人でひとしきり大笑いした後、貴彦は私の右腕に軽く触れ、「送っていくよ」と言った。


歩き出すなり、貴彦は滑らかに語り出し、自分の世界へ私を引き摺り込んだ。

それはいつものこと。


顔も知らない貴彦の友達の話。


なぜか私を惹きつけ、笑い声を立ててしまう。

その友達のことではなく、貴彦本人のことを知りたい。


そうだ。

1番、知りたいこと。


ーーー私のこと、どう思ってますか。



もしかしたら…好きですか?





父の母に対する態度が、180度変わったのは、私が25歳の時だった。