外には晴哉さんの車と、そばには運転手兼護衛の慎吾(シンゴ)さんが立っていた。

相変わらずの無表情。


晴哉さんはどちらかと言うと、昔から笑顔のお面を貼り付けてるのかってくらい笑顔を絶やさない人で、護衛の慎吾さんはいつも無表情の鉄仮面だった。

正反対に見えるけど、いつも表情が同じで他の喜怒哀楽の表情を見せないところは共通していた。


「あの…手離してください。」
「離したら、逃げるだろ。」
「そうしたいのはやまやまです。」
「まぁ、俺らお互いにいつも敬遠してたからな。」
「俺ら?
私もですか??」
「当たり前だろ。」
私の質問に当然のようにその答えが返ってきた。