「意味が分からん。
俺だってずっと居られたら迷惑なんだけど。
てか、お前‘あしがつく‘って何者なんだ??」
「いや、怪しいものじゃないです。
普通の女子大生です。」
「普通は自分で怪しいものじゃないなんて言わない。
余計怪しいな。」
「そんな事言われても…。
なら、どう証明すれば信じてくれる??
兎に角、お願い。
しばらく置いて。
バイト探してお金貯めて、そのうち出てくから。」
呆れ顔の俺に、かなり真剣な顔で必死に頼む彼女。
「そのうちって。
どれくらいかかんだよ。」
「わからない。
私、バイトした事ないから。
ごめんなさい。
でも、このままだと行くとこないもん。
野宿させる気?
…冷たいよね。」
「はぁ…。
五月蝿い。
今何時だと思ってんだよ。
もうちょっと静かにしてくれよ、近所迷惑だろ。」
結局、玄関先で騒がれるのは近所迷惑と判断して、約束を取り付ける事が出来ないまま部屋に入れる羽目になった。

