「雨芽が人を愛するようになったから。
良いんだよ?
それで。
親が誰かなんて関係ない。
雨芽にも、人を自由に愛する権利があるよ。」
「そうかな?
良いのかな??」
「うん。
親の事は雨芽が悪い訳じゃないんだから。
周りの言葉を全部受け入れる必要もないし、雨芽は幸せになって良いんだからね。」
「うっ、理咲。
ありがとう。」
全てを消化しきれたわけじゃないけど、少し楽になる事が出来たので泣きながらお礼を言った。


「泣かないの。
で、航平…さんだっけ?
その人は雨芽の事どう想ってるの??」
「分からない。」
「話を聞く限りではいい加減な気持ちで接してはないと思うけど。
でも、もしその人が雨芽を泣かせるような事があったら、絶対許さないから。」
「うん、ありがとう。」
私の涙をテーブルに設置されたナフキンで拭いてくれながら、理咲はそう言ってくれた。


それから少し話したあと、別々の用事があるので理咲とはそこで別れた。