その後、起きて用意して、理咲の彼氏が出掛けたか電話で聞いて押し掛けたのだ。


「雨芽…本当に分からない?」
「初めてこんな気持ちになったんだよ。
分かるわけないでしょ。」
「はぁ…何歳よ、ほんと。
恋でしょ。」
「へっ、恋??」
理咲に溜め息まじりに指摘されたけど、自分が今まで絶対有り得ないだろうと思っていたから、そう言われてすっ頓狂な返ししかできなかった。

「まさか。」
「知ってるよ。
雨芽が両親の事があって、そういうのを拒絶して生きてきたの。
でも、雨芽は生きてる生身の人間なんだから完璧に自分の感情をコントロールして生きていく事なんて出来ないよ。」
「理咲。」
核心をつかれた気がした。


「雨芽にとってはそうじゃないかもしれないけど…おめでとう。」
「何で、‘おめでとう。’なの?」