「誰か…。」
目を閉じて、誰かに助けを求めた。

そんな時、私を包み込む感覚がして、ゆっくり目を開いた。


「大丈夫、大丈夫だから。」
「航平。」
落ち着かせるように、ポンポンと軽く背中を叩きながら、優しく抱き締めてそう言ってくれた。


「雷、そんなに怖いなら言ってくれば良いだろ。」
「だって、ただえさえお世話になってる居候の身なのに、これ以上迷惑かけちゃ駄目だと思って。」
「俺にくらい甘えれば良い。」
「航平。
甘えなれてない人が甘えようとすると加減が分からないから、うんざりするよ。」
「うん、どうぞ。」
航平は直ぐにそう言ってくれた。

私も航平の背中に腕を回して、雷がおさまるまでって思ってたけど、いつの間にか安心してしまったらしく、気づいたら航平に包まれるように眠ってしまっていた。