私が生まれてくる事を望んだわけじゃない。
勝手に生み落とされ捨てられ、私にはいつも選択肢は用意されていなかった。
だけど、居場所がなくてもそこに居るしかなかった。
家族…とは私には無縁で、いつも楽しそうな母家の人達の声を聞きながら1人で過ごした。
そんな私に向き合ってくれたのは…親でも兄弟でも、親族でもない理咲だった。
彼女のお蔭で、いろいろ知る事が出来たし、笑えるようにもなった。
理咲が居なかったら、既に私はこの世に居なかったかもしれない。
そんな事を振り返ってるうちに時間も流れていった。
誤魔化す事は出来ないくらい身体は正直で、地面の冷たさがお尻と足から伝わり、身体の体温を下げる震えがとまらないけど、どうでもよかった。
私には何もないから。
ここで凍死しても良かった。

