ごみは集めてごみ箱へ…と思ったら、見知らぬ新聞紙を丸めたものがごみ箱に入っていた。
取り出して開いてみると、割れた食器が。
食器も割ったのかと思いつつ、そう言えばアイツの手には見慣れぬ絆創膏がいくつも貼ってあった事を思い出す。
あんまりにも一度にいろいろ問題を起こされ過ぎて心配してやる余裕はなかったけど。
新聞紙の食器とごみをごみ箱に入れて、食器と調理器具を黙々と洗いつつ、雨芽という急に現れた女の子について考えた。
突然現れて、何故か初対面の俺についてきて暫く泊めろと要求してきた突拍子もない言動。
我が儘な子供かと思えば不意に見せる見透かすような大人びた態度。
底が見えない明るさ。
…どういう環境で育てば雨芽のようになるんだろう?

