「どうなんだろう?
でも何かね、この人についていこうって思ったの。
何か下心とかがあって話しかけて来る人はいたけど、ちゃんと心配して声かけてくれたのは航平だけだったから。」
「そういうの見分けられるの??」
「分かるよ。
私、育った環境から人目とか意識して生きてきたでしょ?
だから、何となく分かるよ。
それに、航平は胡散臭い笑顔とか優しさとか見せなかったから。」
「そう…直感ってものなのかな?
でも気を付けなよ。
はい、頼まれてたもの。」
「ありがとう。
ごめんね。」
一度に持ち出したら怪しまれるので、少しずつ持ち出して預けていた着替えやお金が入ってるボストンバッグを受け取り、理咲にお礼を言った。