「貴方の名前は?」
「菊田。」
「いや、名字じゃなくて。」
「航平。」
「どう書くの?」
「航海の航に平和の平。」
「へぇー!!
私は雨芽(アメ)。
雨と芽がでるの芽。」
「変わった名前だな。
近頃の親って、ホントによくわからん。」
「もしかして、私貶されてる?
この名前は、数少ない母親からもらったものなの。
顔も名前も知らないけど。」
雨芽は特に何て事ない感じでそう言った。


「お前って、結構ヘビーな事サラッと言うな。」
「そう?
まぁ、気にしてないからね。
名前だって滅多にいないから間違えられる事ないし。」
「まぁ、そうだな。」
「航平。」
「何で呼び捨てなんだよ。
俺、お前よりかなり年上。
お前、年いくつだよ?」
「まぁまぁ。
親しみが出て良いでしょ?
因みに年は20歳。」