捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。

 

「!ど、どうかしました?」

「いや。琴音さんって、“驚き名人”だけではなくて、“すぐ顔に出る名人”でもあるんだなと」

「な……っ!何か出てましたか!?」


私は慌てて顔をぺたぺたと触る。

それを見てくすくすと笑う惣介さん。


「心配しなくても大丈夫です。俺は結婚を焦ってるわけでもないし、琴音さんのペースに合わせますから」

「!……あ、ありがとうございます……申し訳ないです」

「いえ?琴音さんのそういうところ、嫌いじゃありませんから」


そう言った後、眩しそうに惣介さんは公園を眺める。

……惣介さんって本当はモテるんじゃないかなって思う。

言葉の節々が何かイケメンだと感じることがあるから。

それにほら。

何か横顔が綺麗な気がするし。

本当に不思議な人だな……。

沸々と湧いてくる“惣介さんのことを知りたい”という気持ち。

もちろんそれは好きだとか嫌いだとか関係なく当然の感情で。

よし、と私は口を開く。