捨てる恋愛あれば、拾う恋愛あり。

 

「好きなんですよね。この公園」

「ここにはよく来るんですか?」

「はい。ここって何か落ち着くんですよね。家にいてもボーっとしてしまうだけで何もなく時間が過ぎていってしまいますから。それが嫌な時はここに来るんです」

「へぇ~でもわかります。俺も自然は好きなんで、こういう場所は癒されます。あ、この前のホテルのガーデンも良かったですよね」

「あ、やっぱり思ってました?あのホテル、すごく気に入っちゃいました!カフェも素敵だったし」


今まで行ったホテルでは一番の素敵さだった。

友達の結婚式とかでいろんなホテルに行ったことがあるけど、この前のところがダントツだ。


「……ですか。じゃあ」

「え?」

「結婚式はあのホテルにしましょうか?」

「!!」

「ね。俺も気に入りましたし、探す手間が省ければ、他に時間も使えますから。新婚旅行の場所を決めるとか?」

「!!!」


惣介さんが急にリアルな話をし始めて驚いてしまうけど、それは当たり前のことで。

急に“本当に結婚するんだ”という実感が湧いてきてしまった。

まだほわほわっとした感じがあって……もう少しこのままでいたいな、なんてワガママなことを思うんだけど。

ちらっと惣介さんを見ると、その視線は私を向いていて、その口元に柔らかい笑みを浮かべていた。