「……何か、すごく新鮮です。って、会うの2回目ですけど……」
「あ、服装、ですか?」
「です。惣介さんって……意外とざっくりオシャレさんなんですね」
「それって、どういう意味でしょう……」
「あ、悪い意味じゃないですよ?」
「……それは良かったです」
褒めてるのに何故か苦笑いの惣介さんを、私は不思議だなと思う。
会うのは2回目だけど、お見合いの日のおしゃべりと、その後2回した電話のお陰ですっかり惣介さんに慣れてしまった私は、ぽんぽんと思ったことを口に出せるようになっていた。
慣れるまでは言葉を飲み込んでしまうことが多いけど、慣れてしまえば思ったことが言えるようになる性格は昔からで。
軽い内弁慶ってやつだ。
お見合いの日はもちろんネコなんて何匹も被ってた。
でもこれから先一緒にいるならどうせいつかはバレるんだし、隠していても仕方ない。
結婚した後にバレて気まずくなるより、さっさとバラしておいて嫌なら結婚しないって話になった方が絶対にいい……と、私はお付き合いの返事をした後に、腹をくくった。
もう、あの時点でへまはたくさんしていたし、何も隠す必要もないんだって、ネコは脱ぎ捨てたんだ。
それに、惣介さんは今まで出逢ってきた男の人の中で一番と言っても過言ではないくらい話しやすいし、受け入れてくれそうな性格だと感じ、余計に私は自然な姿をさらけだしていた。

