三浦さんと話すのは息苦しくないし、楽しいとも思う。
三浦さんが言うように、確かに食の好みが合うのは大きいと思うんだ。
大学の頃に付き合っていた唯一の元彼とは大きく食の好みが違っていて。
基本的に私が折れていたこともあって、ご飯のことで些細なケンカをしていたのは始めの頃だけだったけど……ご飯に行くというだけでかなり気を使っていたものだった。
結婚すれば必ず食事は一緒にするものだし、絶対に好みが合う方が楽だしうまくいくと思う。
だからと言って、それだけで結婚を決めてしまっていいものなの?と思う気持ちは大きい。
でも、断ってしまうのも……何だかもったいないような気がして。
……ほとんど時間は経っていないけど、正直、三浦さんのそばは心地いいと思う。
ふわっとした雰囲気とか、穏やかになれるオーラというか。
決して嫌いではなくて……むしろ、好きだ。
……結局私はどうしたいんだろう?
三浦さんと結婚してもいいと思ってる?
思ってない?
どうなの?
優柔不断な自分が嫌になるけど……こういう時は流されてしまった方が楽なことも、29年間も生きてくれば知っていることだ。
そう考えると、受けてしまうのがいいような気がしてくる。
悪い方にいく感じもしないから。
でも、流されるまま結婚なんて……いいの?
人生決まるのに?
やっぱり……
私の思考は完全な無限ループに陥ってしまう。

