それは暗く、冷たいー

そう、本当の闇のような部屋だったー

鉄格子越しに制服を着た中年の男が話しかけてきた。

「275番面会だ。出ろ」

そう言われ、男は部屋を出た。

2つの鉄格子の扉を静かに歩きぬけ、
新たな部屋に入った。

そこは明るい。
が、なんとも言えない雰囲気を感じる部屋だ。

何度来ても変わらない。

異様な空気が流れる。

ガラス越しにまだ、あどけなさが残る、
女が座っている。

男は物音一つ立てず目の前のイスに座り
一言だけ言った。

「あんたが...新しい弁護士か」