「小学生のとき俺は野球に夢中になって、所属していたチームが俺のさよならホームランで優秀したんだ。褒めてほしくて急いで帰った」
「だけどリビングで兄貴の勉強を両隣で見ている両親は、俺のそんな小さな報告に耳をかさなかった。しまいには“うるさい”って怒鳴られる始末。部屋で小さくなって泣いたよ」
「たぶん、そのときから俺は兄貴が憎くて憎くてたまらなくなった。それから注目欲しさに反抗を繰り返す俺に、親は呆れてそのぶん更に兄貴に対する熱は増す。そして俺はまた兄貴を憎くなる。かなしい堂々巡りだよ」
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