「あ、読み終わりました?フシギさん」

「あ、はい」

館長さんに本を渡す。

「どうでした?最後らヘん、テキトーだったでしょ?」

「・・・・はい」

「ですよね!ですよね!」

目を輝かせている。

「おや。もうこんな時間。帰りは振り返らずにお帰りなさった方がよろしいですね」

「え?」

「気をつけて下さいね。フシギさん」

「あ、どうも」

振り返らずにお帰りなさった方がよろしいですね?

何でだろう。

キィィィィ・・・・。

「まぁ、ここの住人になりたいなら、振り返ってもいいですけど。そっちの方が嬉しいですしね。僕、フシギさんだったら大歓迎です。フフフフフ・・・・」

バタン。

館長さんがこんな事を言っていたのだが、

俺は気付かなかった。