私のマスターは商人。
「いらっしゃいませー!」
どんなに怒っていても、お客様の前では絶対笑顔。
作り笑いとも言う。
今回のお客様は、世界で有数のお金持ちのお得意様。
いつもは1人だが、今回はお孫さんも一緒だ。
「おや?そちらのお嬢さんは?」
お得意様。確か、名前は・・・・ヤムアさん。
そのヤムアさんが私に気が付いた。
「あ、こちらは機械人形でして・・・・大変役に立っております」
ニコニコと営業スマイルで答える。
「お爺ちゃん」
先程まで口を開かずに退屈そうにしていたお孫さんが口を開いた。
「あの人形、欲しい!」
そう言って、私を指さしていた。
え?
私が・・・・欲しい?
機械人形で、相当ガタがきている・・・・私を?


