「まだ菜摘たちは帰って来ないから夕飯の 買い物行こっか!」 朝日は俺に微笑みを浮かべてから手を引いた。 「そう言って、荷物持ちに連れてくだけだろ」 「あははっ、バレちゃった?」 見切ったかのように笑顔の朝日に言うと また明るく返事が帰ってきた。 「バレバレだっての」 呆れたように笑う俺は、何だかんだ言って 一緒に買い物に行くことが嬉しくて 朝日より先に玄関で靴を履いた。 「ふふっ」 すると朝日は黙って優しく笑っていた。